徒然なるままに読書

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書評『リスク・リテラシーが身につく統計的思考法―初歩からベイズ推定まで』

あらすじ 著者:ゲルト・ギーゲレンツァー

現代人なら、自分の身に何かが起こる可能性=リスクを見極めたいもの。だがその手掛かりとなる統計数字を、あなたはきっと誤解している。もっとも、誤解して当然なのだ――そう仕向けられているのだから。専門家の振りかざす数字に惑わされずその意味を見抜き、リスクとコストを正しく知るためのヒントを、「モンティ・ホール問題」などの有名な例を交えて説き起こし、いま話題のベイズ統計の基礎もわかるようになる統計入門(『数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活』改題文庫化)

 

リスク・リテラシーとは何か?

それはそれぞれのリスクを比較して対処することです。特に本書では自身の価値観に添う選択をすること、そのことに重きを置いています。具体例として乳がんの検査で腫瘍が見つかったとき切除するか放射線治療するかは患者自身が生活の質を踏まえて選択します。そして選択の際に選択肢のリスクを考えるうえでリスク・リテラシーが必要となります。

 

統計数字を読み解くとき次の4つのポイントを意識しなければなりません。

  1. 確実性の幻
  2. リスクに関する無知
  3. リスクの伝達ミス
  4. 的外れな考え方

本書では実際のケースを通して統計に惑わされる専門家・素人が描かれます。現在統計は乳がんからDNA鑑定まで幅広く活用されていますがきちんと読み取ることは一筋縄ではいきません。統計で誤解させようと仕向けられているのならなおさらなことです。しかし、一度なぜ誤解が生じるのかということを知ってしまえば、だまされにくくなるだけでなく注意を払い数字と向き合うことができるしょう。この本を読みより深く統計を学びたくなったので基本書に手を出したくなりました。

 

なぜ本書を手に取ったかというと、ある雑誌で”これからは理系の支配する世界となる。文系が生き残るにはまず統計を学び従来の数学を使わない思考法から脱却しなければならない。”という趣旨の記事を読んだからです。世界がどうなるかは分かりませんが、自分の周りでは少なくとも理系のほうが将来性があると感じる人が多く実際に受験でも理系選択者が増えているそうです。世界はもとより日本でも理系優位となっているのでますます統計など数学を扱うことのできる人材が重宝されるでしょう。

 

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