徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

意識とは何か 書評『屍者の帝国』

あらすじ 著:伊藤計劃×円城塔 屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者…

闇に閉ざされた街 映画『ダークシティ』

あらすじ 監督:アレックス・プロヤス 暗闇の中、目覚める一人の男。自分が誰なのか思い出せないまま、その男は「早く逃げろ」というの電話に追い立てられるように漆黒の街をさまよい続ける。次々と出会う人物は謎めき、妻と名乗る美しい女の記憶すらない。…

凶悪犯が移送される飛行機でハイジャック! 書評『コン・エアー』

あらすじ 監督:サイモン・ウェスト 不運な事件に巻き込まれ、8年の刑期を終えて出所した元軍人のキャメロン。彼は一刻も早く愛する妻子の顔が見たいと、連邦保安局の空輸機に乗り込んだ。だが、その空輸機は凶悪犯サイラスが率いる囚人グループにハイジャッ…

マルクスはこう考えた 書評『マルクス自身の手による資本論入門』

あらすじ 著:ヨハン・モスト 生前、マルクス自身が改訂・加筆をおこなった唯一の『資本論』の入門・解説書。

<あり得べき社会>を構想する! 書評『自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う』

あらすじ 著:大屋 雄裕 20世紀の苦闘と幻滅を経て、私たちの社会は、どこへ向かおうとしているのか?“あり得べき社会”を構想する。

外交のあるべき姿勢とは何か? 書評『アメリカ外交50年』

あらすじ 著:ジョージ・F・ケナン 1900年からの50年間にアメリカがとった外交上の態度を徹底検証した講演集に加え、ソ連「封じ込め政策」の理論的基礎を示し反響を呼んだ論文等を収録。アメリカの戦後世界政策を構想した著者ケナンが、アメリカ外交の伝統…

全体主義は過ぎ去ったか 書評『全体主義の時代精神』

あらすじ 著:藤田 省三 20世紀は全体主義を生み、かつ生み続けた時代である。それは三つの形態をとって現れた。最初は「戦争の在り方における全体主義」として、ついで「政治支配の在り方における全体主義」として、そしてそれは「生活様式における全体主義…

全体主義の変遷を辿る 書評『全体主義』

あらすじ 著:エンツォ・トラヴェルゾ ファシズム、ナチズム、スターリニズムを、一括りに“全体主義”と呼ぶことは、いったい何を隠蔽することになるのだろうか。二十世紀の論争史を繙きながら、玉虫色に姿を変える“全体主義”の概念と、その背景、そして知識…

ナショナリズムは近代の産物である 書評『民族とナショナリズム』

あらすじ 著:アーネスト・ゲルナー 「近代世界の形成と再形成とに果たした力は明白でありながら、それに取りつかれていない人間には依然として他人事で理解不可能なままにとどまっているナショナリズム」、その本質は何か、この難問に、英国哲学界の巨人ゲ…