徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『大衆の反逆』

あらすじ 著:オルテガ・イガセット 1930年刊行の大衆社会論の嚆矢。20世紀は、「何世紀にもわたる不断の発展の末に現われたものでありながら、一つの出発点、一つの夜明け、一つの発端、一つの揺籃期であるかのように見える時代」、過去の模範や規範から断…

書評『老子・荘子』

あらすじ 著:野村 茂夫 老子と荘子の考えは、たがいに融けあって「道家思想」という大きな思想を形づくっている。広大な大地を背景として生まれたこの思想は、「無為自然」にもとづいた生き方を理想とする。「大器晩成」「胡蝶の夢」など、人生を豊かにする…

書評『秋の牢獄』

あらすじ 著:恒川 光太郎 十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。悪夢のような日々の中、藍は自分と同じ「リプレイヤー」の隆一に出会…

書評『権力と支配』

あらすじ 著:マックス・ウェーバー 希望はカリスマを生む。だがそれは日常化するのだ――。支配の正当性は、なぜ三つに分類し得るのか。ウェーバーの著作全体への入口とも言える本書は、支配のあり方を比較するために服従する側の動機から接近する。服従のあ…