【感想】武器としてのファイナンス/「ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。」
筆者の連載のなかで今から学ぶなら英語やプログラミングよりもファイナンスをお勧めするとあり、その理由を知るために本書を買いました。
内容(「BOOK」データベースより)
筆者がファイナンスを勧めるのはビジネスにおいて高度な意思決定をする上で欠かせないツールだからです。それではファイナンスとはいったい何でしょうか。
ファイナンスとはなにか?
本書はファイナンスは何であるかを次のように説明します。
ファイナンスとは、一言でいうと、「物の値段」を考えることです。物の値段を考えることは、ビジネスに限らず、賃貸住宅に住むのか、一戸建て住宅を買うべきか、生命保険に入るべきかなど日常の判断でも使えますが、ここではビジネスに焦点を当てます。
(p36)
ビジネスにおいてファイナンスが最も力を発揮するのがM&Aです。M&Aは目に見えない企業の価値を見積もって買収するか否かを決めますが、これはまさにファイナンスの考え方で意思決定をしていることになります。そして、M&Aがこれからの時代を生き残る鍵となりつつあります。
増加するM&A
近年国内外を問わずM&Aが盛んに行われています。日本企業が行ったもののなかには買収額が一兆円を超える案件が出るなど件数だけでなく買収額も増加しています。
出典は下記参照
M&Aが増加した背景には産業の淘汰や企業間の競争が激しくなり、新規参入するよりも既存の企業を買収したほうが時間やコストの節約になることがあります。
案件の増加に対してファイナンスを使うことのできる人材がまだまだ不十分だとするのが筆者の見立てです。買収額が高額になってきていること、買収しても予想したような成果が見込めなかった場合には企業が傾きかねないので、それだけファイナンスを使って買収の是非を判断することのできる人材の価値があるのです。*1
参考
*1:こういった判断をする事業家の例として部長や役員が挙げられていたが、野心のない人にはあまり意味がないかもしれない