徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

なぜ日本は闘わなければならなかったのか? 書評『日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』

あらすじ     著:佐藤 優
真珠湾攻撃直後のNHKラジオでの連続講演をもとに、一九四二年一月に出版された大川周明著の『米英東亜侵略史』は、アメリカの対日政策の分析において、客観的および実証的なものだった。なぜ日本は対米英戦争に踏み切ったのか。アメリカの「太平洋制覇」戦略、執拗な満蒙への介入、イギリス植民地政策の実態などを緻密に分析し、「戦わねばならぬ理由」を大川周明は導き出していた。現在の地盤沈下する日本国家そして日本人が抱える外交政策の困難な問題を克服するヒントは過去の歴史にあるとの認識から、著者が『米英東亜侵略史』を丁寧に読み解く。
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国家とは? 書評『国家論―日本社会をどう強化するか』

あらすじ      著:佐藤 優
国家とどう付き合っていくべきか。9・11以降に顕著になった、国家の暴走にどう対抗するか。聖書からマルクス宇野弘蔵から柄谷行人まで、古今東西の知を援用し、官僚の論理の本質や、国家が社会へ介入する様相を鋭く読み解く。市場原理主義がもたらした格差社会を是正し、社会の連帯を高めることで、国家に対峙する術を説く。著者のインテリジェンス(特殊情報活動)の経験と類い希なる思索から生まれた実践的国家論。

 

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東大生はバカになったか 書評『東大生はバカになったか』

あらすじ    著:立花 隆
文部省の「ゆとり教育」が生んだ高等教育の崩壊状況を徹底検証。その根本原因たる日本の教育制度の欠陥を、文部省の歴史、東大の歴史に求めながら、日本を知的亡国の淵からいかにして救うか、その処方箋を探る。さらに現代における教養とは何か、それはどのように獲得すればいいのかを論じて、世間に衝撃を与えた問題の書。
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東大を通じて見る近現代史 書評『天皇と東大〈1〉大日本帝国の誕生』

あらすじ     著:立花 隆
日本近現代史の最大の役者は天皇であり、その中心舞台は東大だった―。長い長い鎖国の時代が終わり、日本という近代国家はどのように誕生し、どのように現代へとつながるのか。明治十年に設立され、国家運営の人材を供給しつづけた東大という覗き窓を通して描く。
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ベンサムの思想とは? 書評『ベンサム―功利主義入門』

あらすじ        著:フィリップ・スコフィールド
現代のさまざまな分野に、実践・理論の両面で大きな影響を及ぼしているジェレミー・ベンサム(1748‐1832)。本書は、彼の厖大な草稿類を整理・校訂するベンサム・プロジェクトを牽引し、新著作集の編集主幹をつとめる、「世界一ベンサムを知る」著者による本格的な入門書である。最新の研究成果をもとに彼の功利主義思想を体系的に論じる。 
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