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徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

4つの国へ 書評『ガリバー旅行記』

あらすじ     著:ジョナサン・スウィフト
子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない。だが、おとなの目で原作を読むとき、そこにはおのずと別の世界が現出する。他をえぐり自らをえぐるスウィフト(1667‐1745)の筆鋒はほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。

 どんな本か?

 小人の国や巨人の国などは絵本のなっているが、続く飛島ラピュタや馬が治める国なども収録されている。もとは当時のイギリスへの風刺だったのだが時代を経てその風刺の部分は忘れられたが古典となった作品。

感想

 一貫して人間に対する風刺だ。その内容も当時のイギリスだけでなく現代でも当てはまる。その内容を次に見ていく。

 小人の国では些細なことが原因で戦争に明け暮れ一旦ガリバーという他国を圧倒できる存在を手に入れた途端に他国を完全に属国にしようとする。絶えず戦争が起きその旅に兵器も発展していき遂には核兵器にまで至った。しかもその威力や弊害について分かっていたのにもかかわらず第二次世界大戦末期に長崎・広島で使われ大量の死者と放射線をまき散らした。

 巨人の国ではガリバーははじめ見世物として扱われる。姿形が変わっているだけで扱いが変わってしまう、寛容性が欠けている。今も残る偏見や差別に対する風刺と取っても動物の権利に対するものとしても考えることができる。

 飛島ラピュタから大陸に移った後も様々な人々と交流する。ある学校ではひたすらにすぐには役立たない研究に打ち込んでその影響で実生活に弊害をもたらしている。基礎研究に対する不理解とともすればすぐにでも利益が出るものや目に見えて役に立つものばかりが持て囃され基礎研究がおざなりにされることが多々ある現在にも通じる。不死の人と交流するにつれその不死の魅力も衰えていく。

 最後に辿り着いた馬の国では『理性を磨け。理性によって行え。』という格言がある通り理性的な馬が統治を行っている。その地では人間によく似た動物ばかりが争い輝く石を巡ってやはり争っている。そしてガリバーの話を聞いた馬も人間は理性を悪用ばかりしていると述べている。理性を善く使えば争いもなくなるのに宝石や金銭をなど価値のないものを巡って理性の悪用を批判している。国を追われた後もガリバーは人間に対して恐怖心を抱き最後には自ら人々から離れていく。

 

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