徒然なるままに読書

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書評『転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か』

あらすじ     著:ジョン・W・ダワー ガバン・マコーマック
領土紛争、沖縄と基地、憲法改正集団的自衛権、核・原発歴史認識問題など、未解決の課題が山積する中、東アジア情勢は一層その緊迫度を増している。日本の選択はどこにあるのか。これまでと同様に米国への「従属」を続けるのか、アジア中心の新たな安全保障体制を構築するのか、それとも……。戦後日本の歩みに限りない共感を示す、二人の歴史家からの日本へのメッセージ。 

 

  敗戦後日本はサンフランシスコ体制に組み込まれた。しかし、本来いるべき中国や韓国がおらず戦争責任などは歪な形で幕を閉じた。サンフランシスコ条約では北方領土尖閣諸島竹島については曖昧な形でしか触れられておらず大きな火種を残すことになった。日本はその後主権国家として独立を果たすがその実情はアメリカの主張を鵜呑みにする属国でしかなく政治家も対米追従派が長く政権を維持し対米独立派はアメリカの干渉を受け長くは政権を維持できず結果として対米追従派が特に自民党内で主流となり現在に至る。またアメリカの意向に従うことを優先し続けたため経済成長の恩恵を受けたがその代償としてアジアでありながら欧米諸国と列伍したという歪んだ優越感とアジア内で孤立を深めるに至った。条約締結時から主従関係にあったがこれはアメリカが別の国と仲を深めるをその庇護がなくなることを意味し恐れていることでもある。

 日米安保条約で沖縄が犠牲となり1972年に返還された後も状況は変わらなかった。沖縄が台湾との恒常的な交流を構想すると国境の壁が立ちふさがり政府の支援もなかった。その後も愛国心を涵養するために教科書検定問題や自衛隊配備問題で島内を二分した。現在に至るまで犠牲となり続けている。

 アメリカがその影響力を落とし続けるなか日本はアメリカの追従をやめ、真に普通の国にならなければならない。そのためにもアジア各国に謝罪しアジアの国々を中心とした安全保障体制を構築し、その指導者的地位になることが最善である。

 

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