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徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

マルクスはこう考えた 書評『マルクス自身の手による資本論入門』

書評
あらすじ          著:ヨハン・モスト
生前、マルクス自身が改訂・加筆をおこなった唯一の『資本論』の入門・解説書。

 どんな本か?

 1873年,ドイツ社会民主労働者党の活動家モストは,獄中で『資本論』第一巻を抜粋しながら平易化した『資本と労働―カール・マルクス著『資本論』のわかるダイジェスト』をつくった。1875年,同党の指導者リープクネヒトは,マルクスにこの本の改訂を依頼。これをうけマルクスは,労働者たちにも理解しやすいよう『資本論』引用部分の書きかえや、多くの書き下ろしを加え,大幅な改訂を行なった。こうして刊行された第二版が本書のもととなっており,マルクス自身が関わった入門書である。

概要

労働者と資本家 

  商品価値(価格)はその商品が作られるのにかかった社会的な労働時間と生産手段や原材料が関係する。資本家は絶えず商品価値を下げ競争に勝とうとする。さてどのように価格を下げるか。生産手段や原材料は固定となるため社会的な労働時間を下げるしかない。正確には労働力の対価として支払う賃金である。12時間の労働に対して6時間分の賃金しか支払わなかった場合,残りの6時間分が支払上では労働時間が縮むことになる。この賃金の不払いの6時間が労働者が生み出す剰余価値となる。そして資本家の利潤の源泉ともなる剰余価値はすべて資本家が労働者を搾取するので資本家の手に渡ることになる。

労働者の誕生 

  労働者となるためには自由に処分することのできる自由な人格でなければならない。労働者の第一条件として自己の労働力を市場を通じて提供できることが求められる。この点で奴隷と異なる。第二に,自身が労働力以外の何もかもを持たないことが求められる。仮に土地を持っていれば農民に,生産手段や資本を持っていれば資本家への道が開けるからである。

 イギリスにおいては封建制・絶対君主制の時代を通じ自営農から借地農へと変化し,囲い込みによって土地を奪われ,労働者として生きることとなった。

機械の発展 

  機械の登場・発展によって労働市場に成人労働者だけでなく,子供や婦人が流通することとなった。そして今まで成人労働者の賃金に含まれていた家族を養う分の給与も削減されるようになった。労働市場に過剰に供給されることでさらに賃金が下がることとなった。この二つの要因から労働の対価として支払われる賃金はより下がり,商品価格を抑えることに繋がった。

感想

  労働者が団結することで資本家の支配を終わりにすることができると説き『資本論』の結びとなる。現代では,資本主義の枠内で議会を通じて政策を施行することで資本主義が孕む矛盾を解消しようとする。しかし,その施策が十分でなかったり,どうしようもないほど格差が拡大したときマルクスの亡霊は甦るのではないだろうか。

 

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