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徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

なぜ高学歴の人物が深い知性を感じさせないのか? 書評『知性を磨く 「スーパージェネラリスト」の時代』

あらすじ     著:田坂 広志
なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?目の前の現実を変革する「知の力」=「知性」を磨くための田坂流知性論。

 どんな本?

 高学歴の人物は一般に知性を持っているとされる。しかし、現実の問題に対応できる人物はそう多くはない。そこで知性を定義付けこれからの時代に力を発揮する「知性」を持った人物を「スーパージェネラリスト」としてその能力に迫る。

感想

 知性とは曖昧な言葉で世に様々な形で表れているが、本書で「知性」とは、「答えの無い問い」に対して、その問いを、問い続ける能力と定義している。混同されがちな語として知能があるが「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見出す能力としている。批判されるのは知能ばかりを鍛え現実の問題には対応できない人物である。筆者流に言えば知性のない人物である。さらに筆者は「知識」と「智恵」とを区別し、前者を言語化できるものであり書物から学べるもの、後者を言語化できず経験からしか学べないものとして「智恵」に重きを置く。そして知識を学んだだけで知恵を学んだものと誤解する、この病が高学歴の人物が深い知性を感じさせない原因だとしている。経験の裏付けがあって初めて深い知性を感じさせる。

 さて「スーパージェネラリスト」の持つ能力はいったいどのようなものか。ここで垂直統合の思考を示している。この思考は7つのレベルで思考を並行して機能させ、かつ統合するというものだ。その7つとは、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」である。この7つを高度なレベルで駆使することで相互にシナジーが生まれる。

 思想とは、未来を予見する。ビジョンとは、予見した未来に対する客観的思考である。志とは、描いたビジョンのうちどのシナリオを個人や企業で実現を図ろうとする思考である。戦略とは、その時々において変化する環境に対応する思考であり無駄のない思考である。戦術とは、想像力と反省、シミュレーションからなる。技術とは経験である。人間力とは、状況に応じて最も適切な言葉や行為を選ぶ力である。そのためには心の動きを追うことである。

 各思考について本書でも少しは触れられているが筆者の書いた本へ説明が回されていることもありブックガイドとなっていることが否めない。博識と知性があるとは異なる、反省の手法など本書で学ぶことも少なくなかった。

 

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