徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

書評『老子・荘子』

あらすじ   著:野村 茂夫
老子荘子の考えは、たがいに融けあって「道家思想」という大きな思想を形づくっている。広大な大地を背景として生まれたこの思想は、「無為自然」にもとづいた生き方を理想とする。「大器晩成」「胡蝶の夢」など、人生を豊かにするおなじみの言葉と寓話が満載。

 

  老子荘子は他の思想家が政治への取り組み方を中心に述べたのに対し、どう生きるかを中心にした。特に「無為自然」に表される人の作為を否定にあるがままに、自然に逆らわずしたがって生きることが人間本来の生き方であるとした。また万物の根源である「道」、そこから導かれるあらゆるものを等しく扱う「万物斉同」は、とくに生と死を考えるうえで際立つ。人は生に執着し死を恐れがちだが万物は道から来て最後に道へと帰る、そして生と死を同じく考えどちらもその時が来れば抗おうとせず受け入れることが無為自然の理想に適った最期であるとする。また「足るを知る」は自分の欲望をある限度で抑えることで幸福となることを示す。例えばお金も普通に生活できる分だけで満足できるならば幸福だが人と比べたり自分の理想とかけ離れていたりして満足しないといつまでもお金を追い求めるようになる。欲望は際限がないので欲望にからめ捕られてしまう。欲を刺激するものとして人との比較だけでなく知識欲に関しても戒めている。

 有名な「胡蝶の夢」では、人でも蝶でもその立場で満足することが自然であると語っている。そう考えると「足るを知る」でもそうだが自身の欲に制限をかけその立場に満足せよとするこの思想は、資本主義とは相容れず共産主義とは親和性が高そうではある。

 

 

 

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