徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

【感想】小説という名の現実/「ボラード病」

日本を舞台にしたディストピア小説だと聞いて読みました。 ボラード病 (文春文庫) 作者: 吉村萬壱 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/02/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る あらすじ B県海塚市は、過去の厄災から蘇りつつある復興…

【感想】お金以上に大切なものがあるのか/『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

友人に勧められてから1年近く経ってようやく読めました。 投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書) 作者: 藤野英人 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/02/26 メディア: 新書 クリック: 5回 この商品を含むブログを見る 、 あらすじ 本書…

【感想】武器としてのファイナンス/「ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。」 

筆者の連載のなかで今から学ぶなら英語やプログラミングよりもファイナンスをお勧めするとあり、その理由を知るために本書を買いました。 ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい 作者: 正田圭 出版社/メーカー: CCCメディアハウス 発売日: 2…

カール・シュミットからの警告/書評「現代議会主義の精神史的状況他一篇」

ワイマールドイツにおいて議会主義・自由主義を痛烈に批判し、その後のヒトラー独裁への道を理論的に準備したカール・シュミットの著作のうちの一冊である。今回の一冊は現代議会主義の分析とともにシュミットの理論の萌芽が見られる。 現代議会主義の精神史…

もしもマキァヴェッリが大日本帝国を視察したら

「天国に行く最も有効な方法は、地獄へと至る道を熟知することである。」―これはマキァヴェッリの言葉だが、言葉通り彼は天国へ行っただろう。しかし、彼は仕事人間*1だったから死後もフィレンツェ(現イタリア)のために日々情報収集に勤しんでいる。今回は…

小説にみる人材育成方法/書評「西の魔女が死んだ」

マグカップと人材育成/書評「西の魔女が死んだ」

過去からの断罪/映画「叫」

過去から声とどう向き合うか。映画「叫」

独裁への道/映画「THE WAVE ウェイヴ」

現代でも全体主義やファシズムは起こり得ることを描いた映画「THE WAVE ウェイヴ」

機能不全に陥る家庭/映画「クリーピー 偽りの隣人」

映画「クリーピー 偽りの隣人」の感想のようなもの。2つの家庭の共通点、子供が果たした役割、理由のない恐怖。

映画に見るサイコパス/映画『クリーピー 偽りの隣人』

サイコパスについて映画と絡めて書いていく。

賃金はいかに決定されるか/書評「資本主義の極意ー明治維新から世界恐慌へ」

賃金の決定方法を主流派経済学とマルクス経済学の観点から見る。結論はマルクス経済学のほうが賃金決定を直感的に理解できる。

凶暴な純愛 映画『LEON』

レオン 完全版 [DVD] 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2013/04/19 メディア: DVD クリック: 31回 この商品を含むブログ (17件) を見る あらすじ 「ニキータ」のリュック・ベッソンが初めてアメリカで製作したバイオレンス・アクション。ニューヨークを舞…

ナショナリズムを理解するために 書評『新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか』

新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか (NHK出版新書 361) 作者: 萱野稔人 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2011/10/06 メディア: 新書 購入: 6人 クリック: 137回 この商品を含むブログ (32件) を見る あらすじ 今、なぜナショナリズムを考察する…

安全保障を巡る議論のなかで 書評『安全保障とは何か』

安全保障とは何か (シリーズ 日本の安全保障 第1巻) 作者: 遠藤誠治,遠藤乾 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/10/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る あらすじ いま、なぜ日本の安全保障を問わなくてはならないのか。これまでの…

バラマキは正しい経済政策である 書評『ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか』

ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書) 作者: 原田泰 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2015/02/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (6件) を見る あらすじ 単純に考えてみよう。お金がない人を助けるにはお金を配れば…

全体主義克服のために 書評『ハンナ・アレント』

ハンナ・アレント (講談社学術文庫) 作者: 川崎修 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/05/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (9件) を見る あらすじ 二十世紀思想の十字路と呼ばれたアレント。全体主義を近代精神の所産として位置づけた彼女は、帰…

ブログの目的 考え事「ブログの目的」

目次 1 このブログの目的 ①書評 ②映画

ルソーの思想 書評『世界の名著〈第30〉ルソー』

世界の名著〈第30〉ルソー (1966年)学問・芸術論 人間不平等起源論 社会契約論 エミール 作者: ジャン・ジャック・ルソー,平岡昇 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1966 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る どんな本…

資本主義は生き残れるか? 書評『資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ』

資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ (角川新書) 作者: 中野剛志 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ 発売日: 2015/02/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る あらすじ 資本主義は崩壊するのか、生き残れるのか。ケインズ、…

思考停止しないために 書評『ハンナ・アーレント』

ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書) 作者: 矢野久美子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/03/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (28件) を見る あらすじ 『全体主義の起原』『人間の条件』などで知られる政…

イスラーム国とはなにか? 書評『イスラーム国の衝撃』

あらすじ 著:池内 恵 既存の国境を越えて活動し、住民から徴税し、「国家樹立」をも宣言した「イスラーム国」―なぜ不気味なのか?どこが新しいのか?組織原理、根本思想、資金源、メディア戦略、誕生の背景から、その実態を明らかにする。

監視社会の真実 映画『善き人のためのソナタ』

あらすじ 1984年、東西冷戦下のベルリン。壁の向こうで、何が起こっていたのか?反体制を取り締まる国家保安局""シュタージ""絶対的な権力の下で、プライベートは存在しない。ようやく明かされた""監視国家""の真実。

国家とはなにか? 書評『国家の社会学』

あらすじ 著:佐藤 成基 国家とはどういう集団で、どういった機能をもち、社会や経済、政治、私たちの生活とどういう関係にあるのか。「国家とは何か」という基本的な疑問からナショナリズム・社会福祉・グローバル化といった現代的な課題までをレクチャーす…

国家を揺るがした大事件 書評『天皇と東大〈2〉激突する右翼と左翼』

あらすじ 著:立花 隆 国家主義の台頭と左翼への圧力――明治は去り、日本は右傾化の道をひたすらに歩み始める。大正デモクラシーから血盟団事件へ、歴史の転回点で東大が果たした役割とは。

ギャンブルの先に見たものは 映画『ハスラー』

あらすじ ギャンブルの世界に生きる男たちの息詰まる死闘と、全編の3分の2に渡る白熱のプール・シーンを、流麗なジャズのメロディにのせて描く迫真のドラマ。抜群の才能を持ち、若くして名をあげたハスラー、エディがシカゴ一の勝負師ミネソタとの宿命の対決…

戦争を支える補給 書評『補給戦―何が勝敗を決定するのか』

あらすじ 著:マーチン・ファン クレフェルト ナポレオン戦争から第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦に至るまでの代表的な戦闘を「補給」という観点から徹底的に分析。補給の計画、実施、戦闘への影響を、弾薬、食糧等の具体的な数値と計算に基づいて説…

なぜ日本は闘わなければならなかったのか? 書評『日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』

あらすじ 著:佐藤 優 真珠湾攻撃直後のNHKラジオでの連続講演をもとに、一九四二年一月に出版された大川周明著の『米英東亜侵略史』は、アメリカの対日政策の分析において、客観的および実証的なものだった。なぜ日本は対米英戦争に踏み切ったのか。アメリ…

国家とは? 書評『国家論―日本社会をどう強化するか』

あらすじ 著:佐藤 優 国家とどう付き合っていくべきか。9・11以降に顕著になった、国家の暴走にどう対抗するか。聖書からマルクス、宇野弘蔵から柄谷行人まで、古今東西の知を援用し、官僚の論理の本質や、国家が社会へ介入する様相を鋭く読み解く。市場原…

東大生はバカになったか 書評『東大生はバカになったか』

あらすじ 著:立花 隆 文部省の「ゆとり教育」が生んだ高等教育の崩壊状況を徹底検証。その根本原因たる日本の教育制度の欠陥を、文部省の歴史、東大の歴史に求めながら、日本を知的亡国の淵からいかにして救うか、その処方箋を探る。さらに現代における教養…

東大を通じて見る近現代史 書評『天皇と東大〈1〉大日本帝国の誕生』

あらすじ 著:立花 隆日本近現代史の最大の役者は天皇であり、その中心舞台は東大だった―。長い長い鎖国の時代が終わり、日本という近代国家はどのように誕生し、どのように現代へとつながるのか。明治十年に設立され、国家運営の人材を供給しつづけた東大と…

ベンサムの思想とは? 書評『ベンサム―功利主義入門』

あらすじ 著:フィリップ・スコフィールド 現代のさまざまな分野に、実践・理論の両面で大きな影響を及ぼしているジェレミー・ベンサム(1748‐1832)。本書は、彼の厖大な草稿類を整理・校訂するベンサム・プロジェクトを牽引し、新著作集の編集主幹をつとめる…

意識とは何か 書評『屍者の帝国』

あらすじ 著:伊藤計劃×円城塔 屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者…

闇に閉ざされた街 映画『ダークシティ』

あらすじ 監督:アレックス・プロヤス 暗闇の中、目覚める一人の男。自分が誰なのか思い出せないまま、その男は「早く逃げろ」というの電話に追い立てられるように漆黒の街をさまよい続ける。次々と出会う人物は謎めき、妻と名乗る美しい女の記憶すらない。…

凶悪犯が移送される飛行機でハイジャック! 書評『コン・エアー』

あらすじ 監督:サイモン・ウェスト 不運な事件に巻き込まれ、8年の刑期を終えて出所した元軍人のキャメロン。彼は一刻も早く愛する妻子の顔が見たいと、連邦保安局の空輸機に乗り込んだ。だが、その空輸機は凶悪犯サイラスが率いる囚人グループにハイジャッ…

マルクスはこう考えた 書評『マルクス自身の手による資本論入門』

あらすじ 著:ヨハン・モスト 生前、マルクス自身が改訂・加筆をおこなった唯一の『資本論』の入門・解説書。

<あり得べき社会>を構想する! 書評『自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う』

あらすじ 著:大屋 雄裕 20世紀の苦闘と幻滅を経て、私たちの社会は、どこへ向かおうとしているのか?“あり得べき社会”を構想する。

外交のあるべき姿勢とは何か? 書評『アメリカ外交50年』

あらすじ 著:ジョージ・F・ケナン 1900年からの50年間にアメリカがとった外交上の態度を徹底検証した講演集に加え、ソ連「封じ込め政策」の理論的基礎を示し反響を呼んだ論文等を収録。アメリカの戦後世界政策を構想した著者ケナンが、アメリカ外交の伝統…

全体主義は過ぎ去ったか 書評『全体主義の時代精神』

あらすじ 著:藤田 省三 20世紀は全体主義を生み、かつ生み続けた時代である。それは三つの形態をとって現れた。最初は「戦争の在り方における全体主義」として、ついで「政治支配の在り方における全体主義」として、そしてそれは「生活様式における全体主義…

全体主義の変遷を辿る 書評『全体主義』

あらすじ 著:エンツォ・トラヴェルゾ ファシズム、ナチズム、スターリニズムを、一括りに“全体主義”と呼ぶことは、いったい何を隠蔽することになるのだろうか。二十世紀の論争史を繙きながら、玉虫色に姿を変える“全体主義”の概念と、その背景、そして知識…

ナショナリズムは近代の産物である 書評『民族とナショナリズム』

あらすじ 著:アーネスト・ゲルナー 「近代世界の形成と再形成とに果たした力は明白でありながら、それに取りつかれていない人間には依然として他人事で理解不可能なままにとどまっているナショナリズム」、その本質は何か、この難問に、英国哲学界の巨人ゲ…

ナショナリズムとはなにか 書評『ナショナリズム入門』

あらすじ 著:植村 和秀 人々はなぜナショナリズムにこだわるのか? 日本と中国、ドイツ、ユーゴスラヴィアなどのヨーロッパ世界、南北アメリカなど、世界の様々な地域の多様なナショナリズムの構造を分析し、21世紀世界の最大の問題であるナショナリズム…

次の10年をいかに過ごすか 書評『続・100年予測』

あらすじ 著:ジョージ・フリードマン 「影のCIA」の異名をもつ情報機関ストラトフォーを率いる著者は、 ベストセラー『100年予測』でクリミア危機を的中させ話題沸騰! 本書はその続篇となる。 金融危機以降、国家間のパワーバランスは劇的に変化したか? ア…

闘争は義務である 書評『権利のための闘争』

あらすじ 著:イェーリング 自己の権利が蹂躙されるならば、その権利の目的物が侵されるだけではなく己れの人格までも脅かされるのである。権利のために闘うことは自身のみならず国家・社会に対する義務であり、ひいては法の生成・発展に貢献するのだ。

古文化に関する深い洞察 書評『古寺巡礼』

あらすじ 大正七年の五月、二十代の和辻は唐招提寺・薬師寺・法隆寺・中宮寺など奈良付近の寺々に遊び、その印象を情熱をこめて書きとめた。鋭く繊細な直観、自由な想像力の飛翔、東西両文化にわたる該博な知識が一体となった美の世界がここにはある。

もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら,その人は不幸だ 書評『若きウェルテルの悩み』

あらすじ 著:ゲーテ 親友のいいなずけロッテに対するウェルテルのひたむきな愛とその破局を描いたこの書簡体小説には、ゲーテ(1749‐1832)が味わった若き日の情感と陶酔、不安と絶望が類いまれな抒情の言葉をもって吐露されている。晩年、詩人は「もし生涯に…

好きって絶望だよね… 書評『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

あらすじ 著:桜庭 一樹 その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望し…

フランス革命は中央集権をもたらしたのか 書評『旧体制と大革命』

あらすじ 著:アレクシス・ド・トクヴィル フランス革命後の社会は、旧体制(アンシャン・レジーム)の社会から截然と区別される―通説と化してしまったこの命題を否定するところから、トクヴィルは出発する。中央集権のもとでの行政の専制化、画一的支配の浸透…

獄中で考えた政治の転換 書評『獄中記』

あらすじ 著:佐藤 優 微罪容疑によって逮捕、接見禁止のまま五一二日間勾留された異能の外交官は、拘置所のカフカ的不条理の中で、いかなる思索を紡いでいたのか。哲学的・神学的問いを通して難題に取り組んだ獄中ノート六二冊。文庫版書き下ろしの新稿では…

孤独で暮らす喜び 書評『孤独な散歩者の夢想』

あらすじ 著:ルソー 『告白』につづいて書かれた本書は,その自己探求の道をさらに進めたものである.晩年全くの孤独に閉されたルソーは,日々の散歩の途上に浮び上る想念を,つれづれの印象を,事件を,あるいは生涯のさまざまの思い出を記し,人間と自己…

思想の軌跡 書評『ミル自伝』

あらすじ 著:ジョン・スチュアート・ミル どの分野でも,それぞれ一人の人間が一生かかるほどのことを見事に成し遂げた驚くべき彼の力の秘密はいったいなんであったのか。あらゆる自伝中の白眉と称される精神の発展の記録。