徒然なるままに読書

書評から日々の考え事まで綴ります

賃金はいかに決定されるか/書評「資本主義の極意ー明治維新から世界恐慌へ」

賃金の上がらない現状

 現政権が謳ったことの1つに賃金アップがある。*1賃上げの効果としては、収入が上がるため消費が活発になること、ひいては長引くデフレから脱却することを見込んでいる。円安株高を背景に企業は好成績を挙げ、一時は賃上げの機運が高まったかのように思えたが、実際には一部の企業に限られ、英国のEU離脱のショックのせいで、賃上げへの期待も萎んでしまった。

 この現状をどう解釈するのだろうか。

*1:最低賃金を1000円にすることを目指す、企業に賃上げの要請をするなど

続きを読む

凶暴な純愛 映画『LEON』

 

レオン 完全版 [DVD]

レオン 完全版 [DVD]

 
 あらすじ

ニキータ」のリュック・ベッソンが初めてアメリカで製作したバイオレンス・アクション。ニューヨークを舞台に、凄腕の殺し屋レオンと12歳の少女マチルダの純愛と戦いを描く。

 

続きを読む

ナショナリズムを理解するために 書評『新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか』

 

新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか (NHK出版新書 361)

新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか (NHK出版新書 361)

 
 あらすじ
今、なぜナショナリズムを考察するべきなのか? 格差・貧困問題から経済復興までの喫緊の課題は、「国家」「民族」などのナショナルな意識に訴えかけることなくしては、もはや解決しえない。ナショナリズムを否定するだけの従来の議論を徹底的に批判し、ドゥルーズ=ガタリフーコーなど現代思想のキーテキストを読み解きながら、ナショナリズムの社会的・政治的な可能性を考える。

 

続きを読む

安全保障を巡る議論のなかで 書評『安全保障とは何か』

 

安全保障とは何か (シリーズ 日本の安全保障 第1巻)

安全保障とは何か (シリーズ 日本の安全保障 第1巻)

 
 あらすじ
いま、なぜ日本の安全保障を問わなくてはならないのか。これまでの議論に何が欠けていたのか。現在と将来の日本の安全保障を考える際におさえておくべき文脈や課題を多面的に整理。時代状況の変化に伴って、安全保障に関する論理の転換をはかる必要性を示しながら、本シリーズ全体を貫く問題意識を提示する導入巻。
続きを読む

バラマキは正しい経済政策である 書評『ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか』

 

 あらすじ
単純に考えてみよう。お金がない人を助けるにはお金を配ればよいのではないか。格差と貧困を解消し生活の安心を守るための処方箋とは

 

続きを読む